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  特集 IT 土工システム DREAM -1-  
  −第二東名における大規模土工の合理化施工−  
「土木施工」 第42巻 第1号(2001.1) 施工研究 より

日本道路公団静岡建設局建設部 建設第二課長   こばやし たかゆき
 小林 隆幸
同局建設部 建設第二課   かたよせ まなぶ
 片寄  学
同局清水工事事務所 清水南工事長   いたがき みつはる
 板垣 光春
同所 清水南主任   たけの たけし
 竹野  毅
清水建設(株)土木本部技術第一部 副部長   かわさき ひろたか
 川崎 廣貴
はじめに
 第二東名高速道路は、東京と名古屋間のわが国の基幹的な国土軸において、現東名高速道路と相互に一体となって高速道路の利便性を確保できるように計画され、21世紀の自動車交通における機能性向上を図り、わが国の産業・経済の発展と東西の交流を支えるべく、国家的なプロジェクトとして建設が推進されている。
 このうち、静岡県域における第二東名は、小山〜引佐間の延長165kmであり、現東名の北側の中間山地をほぼ並行して進む本線部と、交通機能の適切な分担を図るために吉原J.C.Tと引佐J.C.Tならびに御殿場J.C.Tで現東名と連絡する3カ所の連絡部からなっている。
 本県域では、道路構造として速度140km/hの走行可能性の考慮と6車線断面への対応が図られ、著しく高速走行性が向上したものとなるが、現東名に比べて路線が北側の山岳地に計画されているため、土工区間の総盛土量は約4900万m3以上となり、1カ所当たり100〜1000万m3という大規模で高盛土となる工事を計画している。  
一方、大規模高盛土の施工においては、高速道路としての機能を満足する品質を確保し、施工の高速化に対応した作業性と安全性、および施工情報の迅速な収集と管理を実現することが重要となっており、その解決手段が強く求められている。
 日本道路公団静岡建設局では、高速道路の大規模高盛土における品質の高度化と同時に発生土の有効活用を図り、かつ経済性と工期短縮を実現すべく、「第二東名高速道路 高盛土および大規模盛土設計施工指針(案)」1)および「第二東名高速道路 長大切土のり面設計施工指針(案)」2)を策定し、その施工方針を示している。本指針の主な特徴には、大型施工機械による土工事の実施、300kN級振動ローラによる一層厚さ60cmという厚層締固め、および道路盛土の機能的特性を考慮した盛土のゾーニング設計と施工の採用が挙げられる(写真−1)。
 こうした観点から、第二東名高速道路の伊佐布I.C工事におうては、大規模土工を合理化するために最先端の情報技術(IT)を駆使した『IT 土工システム DREAM』を新たに開発し、実用化している。本稿ではその概要について紹介する。
大型施工機械による施工状況
写真−1 大型施工機械による施工状況
伊佐布I.Cの工事概要
 伊佐布I.C工事は、図−1に示すように現東名の尾羽J.C.Tから第二東名の吉原J.C.Tをつなぐ清水連絡路(L=4.5km)のほぼ中央に位置し、インターチェンジを含む延長L=1.34kmの高速道路を築造する工事である。図−2に伊佐布I.Cの完成予想CG、表−1に工事概要をそれぞれ示す。
第二東名高速道路・伊佐布I.C工事位置図
図−1 第二東名高速道路・伊佐布I.C工事位置図
伊佐布I.C工事の完成予想CG
図−2 伊佐布I.C工事の完成予想CG
表−1 工事概要
工 種 数 量 備 考
盛土工 4,559,000m3 最大盛土高 61m
切土工 1,245,000m3 最大切土高 54m
橋梁
基礎工
場所打ち杭 2,312m Ø1.2m-1.5m×56本
深礎杭 481m Ø2.5m-9.0m×46本
橋梁
下部工
橋 台 5基
橋 脚 22基 最大高 67m
のり面工 144,000m2
用排水工 27,000m
総延長 1,340m
 本工事の特徴は、1.急斜面の丘陵地における最大切土高54m、最大盛土高61m、盛土量456万m3となる大規模土工事、2.インターランプ部に最大高さ67mを含む高橋脚22基の施工、3.長大切土のり面に対する補強対策と景観対策、4.複数の工事現場から331万m3という土砂を大量に受け入れ、かつ盛土のゾーニング施工の実施という4点である。
 なお、伊佐布I.C工事における盛土のゾーニングを図−3、盛土材料の配分優先度を表−2に示す。盛土のゾーニングでは、自動車が高速走行する本線ランプ部には残留沈下が少ない材料を、盛土の安定を図るうえで重要な盛土のり面部には最も強度のある材料を利用することとしており、これにより高品質の盛土体を築造している。
 本工事においては、特に、搬入土量が1日当たり最大1万m3にも及び、その大量搬入土の指定ゾーンへの迅速誘導が必要であり、大型施工機械を適用した高速施工のため土配管理・品質管理・土量管理・出来形管理・安全管理が煩雑になるなど、実際の施工においてはさまざまな課題が存在していた。こうした課題を解決するために、次に示す IT土工システムDREAM (以下、DREAM システム)を開発・実用化した。
表−2 盛土材料の配分優先度
ゾーン名称 盛土
のり面部
(a)
園地部
(c)
駐車場・
休憩施設部
(b')
本線・
ランプ部
(b)
材料
種別
盛土
箇所
 
岩塊
材料
盛土上部
盛土下部
粗粒土材料 盛土上部
盛土下部
細粒土材料 盛土上部
盛土下部
※土量配分は、◎、○、△の順に優先する
ゾーニング盛土の施工状況
写真−2 ゾーニング盛土の施工状況
DREAM システム
 DREAM (DiRective EArth work Management)システムは、大規模土工の合理化施工という観点から、主 に次の効果を期待して開発したものである。

1.IT活用により大規模高盛土の施工情報のリアルタイム性とシームレス性を確保し、統合的に集約
2.高速道路における大規模高盛土の施工課題を解決
3.大量搬入土とゾーニング設計を考慮した盛土施工の効率化。
4.大型機械施工に対応した品質管理の合理化
5.広範な面積の土量管理の合理化
6.建設現場IT化による省力化と安全性向上
現場事務所のITコントロール室CRT
写真−3 現場事務所のITコントロール室CRT
DREAM システムは、大規模高盛土における品質管理・土量管理などの一連の施工管理をIT活用により行い、個々の情報を統合的に集約できるシステムであり、図−4に示すように主に4つのサブシステムで構成している。写真−3に、現場事務所のITコントロール室のCRT状況を示す。
 以下に、これらのサブシステムの概要を示す。
写真−3 現場事務所のITコントロール室CRT
DREAMシステム概念図
図−4 DREAMシステム概念図・・・4つのサブシステムから構成され、
各システム間はネットワークでつながり、情報の共有化が図れる
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