* * 前号(67号:11月5日付け)のつづき * * |
4.セミナーの開催 |
前回ご紹介した軽交通舗装ワーキンググループにより作成された英文のマニュアルは、モンゴル側プロジェクトメンバーによってモンゴル語に訳されることとなりました。また、このマニュアルをモンゴルの技術者が十分に理解し、軽交通舗装に応用して頂くために、モンゴル側(モンゴル道路技術者連盟)と日本側(国際建設技術協会)によるジョイントセミナーを2006年9月12日に現地日本センターで開催しました。総勢約80名が出席する大規模な会合となりました。 |
大規模な開催となった会場 |
セミナーでは当初、我々日本人スタッフが通訳を介して説明する予定でしたが、モンゴル側のプロジェクトメンバー自身が講師を務めるとの意気込みにより、当日は質問に対する補足説明程度になりました。(ただしセミナー前日は、資料作成のために夜遅くまで手伝うこととなりましたが…) |
日蒙双方の挨拶の後、矢野プロジェクトマネージャーからマニュアル作成までの経緯とそのポイントに関する説明があり、各章ごとの説明は、モンゴル側の各メンバーが行いました。説明後には、質問も活発で参加者の熱い思いを感じたセミナーとなりました。
現在このマニュアルは、用語の説明、試験方法等の付録の校正が終了したところです。年内に英語版を印刷してモンゴルに送る予定としています。 |
関心の高さ示す多くの参加者 |
5.プロジェクトの評価と今後の施策 |
今回のセミナーの挨拶で、JICAモンゴルの守谷所長が、「今回の草の根技術支援プロジェクトは、JICAが思っていた以上の成果を上げた。このボランティア事業の成功を受けて、同様のゲル地区における道路建設の新たな展開をODAとして検討している。」と明言されました。参加した一員として、成果が認められたことで、今までの苦労が報われた思いでした。 |
セミナー主催者(日蒙) |
今回のプロジェクトは、僅か小さな案件ではあったものの、彼らが望んでいるマニュアルを一緒に作り上げることができ、また、失業者を対象に住民参加のプロセスを見せることができたことによって、モンゴル側に好感を持って受け止められたと感じています。 |
8回に及ぶミーティングの席に常に事務次官や道路局長が参加していたことも、その一つの表れだと思われます。何かと批判の多いODA等の海外援助に対しても、この辺りにヒントがありそうな気がしますが勝手な解釈でしょうか。
現在、モンゴル道路局からは、新たな申請に関する相談等が我々にきており、今後さらに発展されることを望むものです。 |