* * 前号(66号)のつづき * * |
3.軽交通舗装用マニュアルの作成 |
@気象条件について |
モンゴルは、年間降雨量が300_以下で湿度がかなり低く、また、夏は30℃以上、冬はマイナス35℃を下回るほどの寒暖の差が激しい国です。このため、この国では従来、凍結対策として路床土を良質土に置き換えています。 |
A交通量と交通形態について |
モンゴルでは、両方向の全交通量を用いて設計交通量を算出します。この理由としては、対向車がない場合、上下車両ともに道路中央を通行する事(特に冬場の降雪期)が多い為です。 |
路床土の置換 |
カットバックアスファルト材の準備風景 |
B設計方法について |
モンゴルは従来、社会主義国家であった事からロシアの影響を強く受けており、設計方法もロシア方式を採用していましたが、現在では、AASHTO(アメリカ州道路行政官協会)のデータ等も研究されています。今回のマニュアルにおいては、両国協議の結果、日本のTA法(※1)を採用しています。また、対象交通区分は旧来のL交通(※2)としました。
表層に関しては、交通量の比較的多い箇所やアスファルトプラントが近場にある場合に用いることとし、通常は、カットバックアスファルト(※3)による散布式二層表面処理を行いました。 |
C施行方法について |
ウランバートル周辺では、ほとんどの施行機械がそろっていますが、地方部では回送費がかさむことから入手が困難な場合があり、また、地元住民参加型のマニュアルを作成する事も、大きな目的の一つになっていることもあるため、人力施行方法も併記する事としました。 |
Dその他 |
その他の項目についてもモンゴルの実情に合わせ作成しています。また、マニュアルは英文で渡すこととし、モンゴル側が自国の言葉に変えることとしました。 |
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このようにして作成されたマニュアルを基に、本年9月12日にウランバートルでセミナーを開催しています。この内容については、次回の報告とさせて頂きます。 |
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※1:TA法とは、舗装各層の必要厚さを基に構造設計を行う方法。
※2:L交通法とは、大型車が100台/日未満の交通量をいう。
※3:カットバックアスファルトとは、ストレートアスファルトに灯油、軽油等の溶剤を加えたものをいう。 |